(イラスト:村本ちひろ)
一般財団法人日本宝くじ協会が2022年に行った「宝くじに関する世論調査」では、宝くじを過去に1度でも購入したことのある購入経験者の割合は81.4%。そこから推計される購入経験者は約8,572万人とのこと。さらに、キャッシュレス決済の導入により、購入回数が上がると感じる人が50.1%と、宝くじを購入するハードルも下がっている様子。もしも高額当選したら何をしよう? 一度はそんな夢を膨らませたことがあるのではないでしょうか。けれど、宝くじの副産物はそれだけではないのです。田村華子さん(仮名・東京都・自営業・76歳)は十数年前に行った北海道旅行で購入した宝くじをきっかけに、次々と当選するようになったそうで――。

新聞を開くまで、胸がドキドキ

あれは10年と少し前になります。

地域のママさんバレーボールの仲間4人と、私の故郷・北海道を旅することになりました。私の出身地は日本海に面した、風光明媚で小さな街。実家に立ち寄り、当時は元気だった母の歓待を受けた後、札幌へ。

宿泊するホテルのチェックインまでに少し時間があったので、お金をおろすために銀行に寄りました。その地下に宝くじ売り場があったのです。

聞けば、友人の1人がいつも買っているとのこと。「札幌に来た記念にみんなで1枚ずつ買いましょうよ」と誘ってくれました。ほかの3人は初めての経験。宝くじはロト6でした。

彼女が言うには、「いつも買っているけど、なかなか当たらないのよ」とのこと。その時はまさか当たるなんて夢にも思っていませんでした。