バーで本を売ってみたらどうだろう
竹田:古本は値付けが自由だから、多少やりやすくはありますが。でも新刊がなくなれば、当然、古本もいつか無くなる。
清水:やっぱり新刊を絶やさない、売り続けられるような仕組みができないかなって。実は、企業経営からちょっと離れた今、浅草橋や銀座のバーにバーテンとして立っていて。そこは技術者が夜な夜な集まる場になっているんだけれども……。
竹田:ユニークですね。
清水:子どもの時から店員さんとして、店頭に立つのに憧れてたんですよ。同人誌なんかも作りたかったんですけど、運命のいたずらか、学生の時から、いきなり商業誌で連載することになったり、手掛けるソフトウェアもプレイステーションのものだったり。
―――いきなりメジャーリーグのマウンドに立っちゃった。
清水:ほんとはファーストフードで学生バイトをしてみたかったの! でも46歳の今から、未経験で入って、バイトリーダーからしごかれるんじゃないかって、さすがに躊躇して(笑)。なのでウーバーイーツの配達員をはじめたりしたんですが、とにかく最近になって、リアルな場にかかわる機会が経営者の時よりもずっと増えていて。そのバーには、客層のせいか、自然と専門書が持ち寄られている。でも手に取ってもらうことはあっても、売る場にはなっていない。じゃあ、そこで本を売ったらどうだろう、と。
竹田:なるほど。