「書店を経由する」ということの可能性

清水:たとえば、本をライオン堂さんに仕入れてもらってそれをうちのバーで売る、っていうのは、どうなんでしょう?

竹田:そうした方法も、既に広がっています。たとえば雑貨店とか花屋さん、洋服店の片隅に販売用として本をちょっと置いてもらう、とか。オフィスや病院の待合室にセレクトした本を閲覧用として置いてもらう、というのもそうですね。選書サービスを手掛けている代表的な人として、BACH(バッハ)の代表でブックディレクターの幅允孝さんがいらっしゃいます。

清水:書店を経由することで、生まれる選択肢もあると。

竹田:たとえば”泊まれる本屋”をコンセプトに掲げているBOOK AND BED TOKYOさんなんかもそのやり方を取り入れているはずです。全部かどうかはわかりませんが、店舗に置いている本は地元の書店にセレクトしてもらい、ホテルのいろんなところに配置されています。僕もお店やオフィスへ定期的に本を届ける、という仕事を手掛けていますし、清水さんの『バーで売りたい』というのは、そういう仕組みを使えばすぐに実現できるものでもあります。

清水:可能性高そうですね。よかった!

【前編はこちら】「このままだと本屋さんが無くなりそうだけど、できることは本当にもう無いの?」

【後編はこちら】失われつつある街の本屋さんにようやく見えた光とは?「本を買う」以外の方法で「書店を支える」ということ