青木さやかさんの連載「49歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、49歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「東急本店を惜しむ人として」です。
今回は「東急本店を惜しむ人として」です。
東急本店さん、さようなら
東京渋谷にあるデパート、東急本店さんが2023年1月31日をもって55年間の幕を閉じた。
友人が近くに住んでいることや、隣にある劇場シアターコクーンに舞台を観に行くこともあり、東急本店さんにはよく足を運んだ。地下の和菓子屋さんでは、よく季節の美味しそうなものを見繕っては、実家に郵送した。8階のレストランでは、タントタントさんで先輩達とイタリアンランチを食べながらオトナになった気がしたし、揚州飯店さんでは中華のコースを食べながら、日本の未来について語り合った。
帰りには7階の本屋さんに寄り自分の本を探してみたりして、帰りに1階のキャッシュコーナーでお金をおろすのが、大体のコースであった。
東急本店に思い入れがあるとは思ってはいなかったけれど、
東急本店がなくなってしまう、と考えると、心がざわついてきた。
行きたい行かねば。