型をまず知る

清水「実は以前、生け花にハマって……。意外でしょ(笑)。詳しい知り合いに促されて、飛び込みでできる教室に行ったのだけど、いざ参加すると『型でやりますか、自由でやりますか』とメニューを選ぶことから始まる」

竹田「そうなんですね」

清水「自分はなにごともまず型を理解して、それから必要に応じて自己流で崩していく、というやり方が良いと思っているので『型で』。ちなみに、生け花にもいろいろな流儀があるのだけど、自分が行った教室の場合、まず花の長さを揃えて、それから長いもの、中くらいのもの、短いものの3種類の長さを作って埋めていく、というのが基本。それで実際、それっぽく見える」

竹田「いきなり自己流でやると、そうはならない」

清水「確固たる型やセオリーがあったとしても、同じ花はこの世に二つとない。つまり生け花は、セオリーにはめながらそれをどう崩していくか、なんだよね。だから戦国武将が生け花をたしなんでいた、って話もよくわかるし、ビジネスにも役立ちそうだから、起業するたび、なるべく社員を一度は生け花へ連れていくようにしてた」

竹田「それはいいですね」

清水「ちょっと脱線したけど、きっと本屋さんもそう。本屋さんを残す方法は、本屋さんから学ぶのが一番早い。そもそも、自分がこの世のすべての本を読んで、選んで並べる、というのも無理だし。本屋さんの力を借りないとね」