公的な施設・制度へ定期的に関心を寄せよう

今の65歳や70歳は、気持ちもそうですが、実際に心身もまだ若い。「お年寄りセンター」と聞いて、「自分はまだ……」と抵抗を感じる人がいて当然だと思います。

我が家の難所”階段”へ無事設置された手すり(写真:著者)

私自身、シングルマザーとして二人の子どもを育ててきたので、ときに自治体の力を借りて、ここまでなんとかやってきました。その私でも、子どものことはともかく、自分ごととしてセンターに連絡するのは抵抗を覚えたのは事実です。

でもやっぱり、このタイミングで連絡してよかったと感じています。

それは安心できた、補助を受けられた、といったことだけでなく、今の身体の状態も客観的にチェックしてもらい、この先何かあった場合、相談できる「道」ができたからです。

公的な制度との距離感をどう考えるかは、非常に重要だと思います。

私の場合、家の近くには図書館はもちろん「シニアの家」など、冷暖房が効いているうえ、お茶などもいただける場所があります。区の運営するリサイクルセンターにいけば、良質な家具や洋服を、驚くほど安く手に入れることもできるし、区の広報誌を読めば、シニア向けに仕事を募集していたり、制度の紹介をしていたりと役に立つ情報が満載です。

ちなみに今回の手すり設置、かかった費用はおよそ7万円でしたが、実際に私が負担したのは6800円でした。

特に、ある程度歳を重ねたなら、公的な施設・制度については定期的に関心を寄せることをお勧めします。


71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(著:紫苑/大和書房)

71歳、ひとりシニア。子どもたちが結婚してから60代で都内に小さな中古住宅を買った紫苑さん。フリーで仕事をしていたため、年金はわずか月5万円と、お金はないけれども不安はないし、今が一番幸せ。あるものを工夫する豊かで楽しい日々をご紹介。