皆さんの食生活の傾向をみると、ほとんどの人が一日三食食べている。これはとても素晴らしいことだと思いました。毎日味噌汁を飲み、週に2回以上健康にいいと思うものを食べている点にも、意識の高さが表れていると思います。
高齢者のフレイル予防の基本は、筋肉量が極端に減らないよう、低栄養を避けることにあります。また、一日に何度もしっかり噛むことで口回りの筋肉を鍛えるためにも、食事の回数とその内容はとても大切なのです。
食事をする際、特に意識してほしいのが、次の「4つの鉄則」です。
●必要十分なエネルギー量(カロリー)を摂取すること
●同じものばかりでなく、多様な食品を食べること
●多くのたんぱく質を摂取すること
●ビタミンDを摂ること
●同じものばかりでなく、多様な食品を食べること
●多くのたんぱく質を摂取すること
●ビタミンDを摂ること
なかでも、たんぱく質の摂取は多くの人が意識しているようでしたね。たんぱく質の摂取量が足りないと、筋肉が衰えて転びやすくなるだけでなく、血糖値をコントロールしにくくなったり、免疫力が下がったり、全身に悪影響が出ます。そのためにも三食を通して、肉・魚・卵・大豆製品から万遍なくたんぱく質を摂取しましょう。
「たんぱく質の摂取を意識している」と回答していても、実はその多くが必要十分な量とは言えないものでした。
ちなみに、一日に必要なたんぱく質は体重1kgにつき1g。体重が50kgの人なら50gが必要なわけですが、筋肉の衰えが進む高齢者は、もう少し上乗せして1.2~1.5g必要だと考えましょう。体重が50kgの人なら、一日60~75gのたんぱく質の摂取が望ましいのです。