意外と足りていないたんぱく質

では一日60~75gのたんぱく質を摂るには、どうすればいいか。ここで大切なのは、「食品の重さ=たんぱく質の量」ではない、ということです。

たとえば牛肉100gの場合、たんぱく質の量は多く見積もっても20g程度。重量の2割程度しかありません。まぐろの刺身も同様で2割程度、ゆで卵1個(60g)で7.5g、木綿豆腐(100g)だと7gほどなので、相当頑張らないと目標とする量には届かない。まずは、そのことを心得てください。

年齢を重ねると、「三食きちんと食べているのに、体重が減っていく」人が増えてきます。それは加齢により、いくら栄養を摂っても筋肉になりにくくなるから。

食べ物は胃で消化されたあと、腸で栄養が吸収されます。その吸収率は50代でも80代でもほとんど変わらないと言われていますが、筋肉になる過程で年齢的な差が出る。だから、高齢者はせっせとたんぱく質を摂っても筋肉にならず、体重がじわじわと減っていくのです。

筋肉を維持するには、散歩や体操といった軽い運動を習慣にすることも大切です。ちなみに、たんぱく質を摂るタイミングは運動のあとがベスト。効率よく吸収できます。

「4つの鉄則」にある、ビタミンDも重要です。鮭や、秋刀魚、鰻などに多く含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収に大きく関わっており、骨粗しょう症予防に欠かせない栄養素です。

そして食物から摂取されたビタミンDは、日光を浴びることで活性化ビタミンへと変化し、筋肉や骨に作用します。短くてもいいので、一日一度は日差しを浴びる時間を持つようにしましょう。