野菜ばかりの食事に気をつける

朝食で食べるのは、米かパンか。実は、ごはん派が過半数を占めているのは驚いたことのひとつでした。米を炊くのはひと手間かかりますし、ごはんだけを食べるわけにもいかないので、結果的におかずや味噌汁も作らなくてはいけない。そういう意味で、高齢になると手軽なパンを選ぶ人が増えるんです。

主菜を、肉と魚で偏りなく食べている人が多いのもいいですね。ただ、野菜料理と主菜(肉か魚)を両方とも、毎日2回以上は食べるようにしましょう。

加齢とともにさっぱりしたものを好んで、野菜が中心になりがちですが、たんぱく質は肉と魚以外に、卵や大豆製品などからもバランスよく摂るのが理想的。そこで、間食が習慣づけられている皆さんにぜひ取り入れてほしいのが、栄養価の高い間食です。

高齢になると、自分で思う以上に、三度の食事だけでは十分な栄養が摂れていないもの。だから間食の際に、魚肉ソーセージや小魚、ツナ缶、ゆで卵、枝豆などをつまむようにしてみてください。たんぱく質の量としてはわずかでも、塵も積もれば山となる。後々、大きな差がつきます。

「いいえ、私は甘いものを食べたいです!」という声も、いくつかありましたね。お気持ちはわかります。重度の糖尿病でないなら甘いものを楽しんでいただいてけっこうですが、やはり医師としては単なる糖分より、少しでも栄養のあるものを勧めたいのが本音。

普段クッキーを3枚食べるところを1枚に、まんじゅうを2個食べるところを1個にして、魚肉ソーセージなどで小腹を満たせたら満点です。

果物も、糖度がそれなりにありますので、甘いお菓子と同様に考えてください。重度の糖尿病でなければ、毎日みかん2つくらいまでなら食べていただいてけっこうですが、食べ過ぎは禁物です。「今日はたくさん食べたから、明日は控えよう」と押したり引いたりしながら、トータルで調整してみましょう。