思えば、昔から歯が悪かった……(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは静岡県の70代の方からのお便り。子どもの頃から歯が悪く、人生の節目節目で歯の《危機》がやってきたそうで――。

歯の災難は肝心なときに

思えば、昔から歯が悪かった。5歳の頃、歯が痛くて、畳の上を転げまわって泣きわめいていた記憶がある。高校2年生のとき、歯の治療で運動クラブの練習を1日欠席、顧問に叱責されたことをきっかけに行きづらくなり退部。学校生活では本だけが友達に。

歯も体の一部で、正直だ。私の場合、子どもの結婚など人生の節目節目に危機がやってくる。

10年前、息子が彼女を連れてきた。夫と4人で食事をした際、キャベツを噛んだだけで前歯に違和感が。抜けた歯の治療を開始して数ヵ月、前歯が入ったのは、息子の結婚式の数日前だった。

娘の結婚のときも、同様のアクシデントが発生。寿命だったのか、上の義歯が真っ二つに割れた。それが、マイナンバーカード申請のさなかだったから困ったものだ。写真撮影のとき、私の口から出たのは「マスクをしていてもいいですか?」という間抜けなセリフ。

結局、私は目いっぱい口角を上げて作り笑顔をキープし、マスクを取って撮影に挑む。そして、カードが完成。写真に写った自分の笑顔に大笑いした。


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