男性も女性も「思い込み」をなくすことが大事

大吉 男性も女性も知識と意識をアップデートしていきたいですね。

高尾 おっしゃるとおりです。セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツは女性だけが意識していれば守られるというものでもなくて、男性が女性の健康課題を理解することが欠かせません。

逆も然りで、女性も男性の健康課題について知る必要がありますね。

「男性が女性の健康課題を理解することが欠かせません」高尾先生(撮影:宮田浩史 写真提供:辰巳出版)

そうして理解が進んだ先に、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念も浸透していくのかもしれません。これも社会が変わっていくために必要なステップなのでしょう。

大吉 なにはともあれ、男性は生理のことをもっと知ったほうがいい。女性も、生理の不調を我慢しすぎずに、身体を大切にしてほしいと思いますね。

高尾 はい、当事者である女性と、その隣にいる男性が、こうして話をするってことがすごく大事だなって、今回あらためて思いました。

私も自分自身の経験や産婦人科医としての経験をとおして、みんなと同じように“思い込み”があるんですよね。だから大吉さんの言葉が、とても新鮮でした。

大吉 こちらこそ、生理についてたっぷりお話しいただき、ありがとうございました。

※本稿は、『ぼくたちが知っておきたい生理のこと』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。


ぼくたちが知っておきたい生理のこと』(著:博多大吉、高尾美穂/辰巳出版)

漫才コンビ博多華丸・大吉の博多大吉さんと、NHK「あさイチ」でもおなじみの産婦人科医・高尾美穂先生が「生理」をテーマに語りあいました。
生理のメカニズムについての解説はもちろん、男女約480人によるアンケートの回答も交えながら、生理痛やPMS(月経前症候群)への理解を深めたり、生理にまつわるコミュニケーショントラブルや社会レベルの課題について、一緒に考えます。