ここで働かせて下さい‼

想いはあるが具体的な行き場は見つからない……どうしたものかと過ごしていた矢先、とある友人に食事に誘われた。

食事中、その友人が1年前に起業した、という話になった。

へぇ~。どんな業種?と問うたところ、「映像、ゲーム、マンガの企画と制作と宣伝とか、プロデュース事業だよ」という返答が。

「へぇ~。企画制作とプロデュースですかぁ~……」
「それって、ワイがしたい仕事のすべてじゃあないですか!!!」
「ここで働かせて下さい‼ ここで働きたいんです‼」

と、『千と千尋の神隠し』で、千尋が釜爺に頼み込んだ時のように、働きたい旨を連呼した。

宝塚風のサラリーマンに扮し、ガッツポーズをする天真さん(撮影:四方花林/写真提供:左右社)

すると友人は、実はスカウトするつもりで食事に誘ったのだと言った。
そうして、私の第二の職場はストンと決まった。

別れ際に友人は、「卒業後しばらくはゆっくりしていいから、働きたくなったら教えて」とお優しい言葉をかけてくれた。

が、私はわかっていた。
卒業後、ゆっくりしたら、この先一生「働きたい」とは思わないことを。
なので、「11月いっぴから働きます!」と高らかに宣言した。