三十路の新社会人爆誕

こうしてタカラヅカを卒業した約2週間後、三十路の新社会人は爆誕した。
そして、生まれて初めての名刺を頂いた。

そこには、
「天真みちる」「アシスタントプロデューサー」
と記されていた。

私は、求めていた業務にこんなにも早く辿り着くことができたことに驚き、感動した。

「ああ、これがイベントを創る側の肩書なんだぁ」

「アシスタントプロデューサー……☆」
「アシスタントプロデューサー……☆」
「アシスタントプロデューサー……って……何?」

2018年11月1日。この日から、「アシスタントプロデューサーとはなんなのか」己に問いかけつつ、サラリーマンとして働く第二の人生が始まったのであった……。

※本稿は、『こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(左右社)の一部を再編集したものです。


こう見えて元タカラジェンヌです 遅れてきた社会人篇』(著:天真みちる/左右社)

宝塚歌劇団で「情報量の多いおじさん役」として愛された天真みちる=「たそ」による大人気エッセイ『こう見えて元タカラジェンヌです』に、待望の続編が爆誕!
タカラヅカ退団後二週間で企業に就職して「歌って踊れるサラリーマン」になり、華麗なる歌劇団と一般社会のギャップにおののきながら、慣れない議事録作成、初めての脚本執筆、演出家への険しい道のりをタンバリン片手に突き進む。
フリーランス転向の決意、ひとりで生きていく覚悟を決めた直後に運命の人とまさかの結婚……そしてフィナーレは、歴代トップスターたちが総出演の『エリザベート ガラ・コンサート』への大抜擢!

地上に降り立った元タカラジェンヌ、右往左往のセカンドキャリア!