「僕にとって一番いい状態は、真っ白でいること。深く考えないで物事に臨みたい」
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できる限りフラットな状態で

2020年には映画『ミッドナイトスワン』でトランスジェンダーの役を、翌21年には大河ドラマ『青天を衝け』で徳川慶喜役を演じました。どちらの作品も、若い役者さんとお芝居できたことが楽しく、印象に残っています。

中でも『ミッドナイトスワン』で一果役を演じた服部樹咲ちゃん、『青天を衝け』で渋沢栄一を演じた吉沢亮くんからは、大いに刺激を受けました。

ありがたいことに大きな賞をいただいたりもしましたが、僕自身は世間からの評価は、いいことも悪いこともあまり気にしないようにしています。もちろん褒められれば素直に嬉しいですけど、人間ですから、あまり評価を気にしすぎると可能性を潰してしまうかもしれない。

僕にとって一番いい状態は、真っ白でいること。深く考えないで物事に臨みたい。だから以前より、いい意味で適当になりました。「いつか誰かに怒られるんじゃないか」と、ヒヤヒヤしているんですけどね。（笑）

役作りに関しても同様で、役柄の人間性や職業まで深く掘り下げていた時期もありましたが、今は役作りはしていません。勉強もなるべくしない。事前に準備しすぎると、かえってそれが邪魔になることもあると思うんです。

相手役の方が、自分が考えていたように台詞を言うわけではないですし、それによって自分の反応も変わったりする。極端な話、自分の台詞だけ覚えておくくらいでいいのかな、って。できる限りフラットな状態でいたいですね。