紫苑さん、30代の娘さんの節約術を見ていて思うことがあったそうで――(写真提供:著者)
母子家庭で、二人の子どもを育てながらフリーランスで仕事をしてきた71歳のひとりシニア・紫苑さん。そのため年金の額は月に5万円ですが、お金を遣わなくても安心して暮らすための工夫の数々をブログに記すと話題となり、楽しい毎日の様子は新聞やテレビなどでも紹介されるようになりました。その紫苑さんの節約術を日々の暮らしとともに紹介していくのが当連載。第11回のテーマは「娘の節約術」です。

娘が保険を変えて

先日娘の家に行くと、娘が書類に向かって何やら書いていました。

気になって、何の書類かたずねたところ、生命保険を解除する申し込みとの答えが返ってきました。

娘いわく、それまで家族で入っていたものをやめ、より安い掛け捨て型の保険に変えるとのこと。

生命保険は、多くの場合「病気になったらどうしよう」といった心配から入るものと思いますが、一方で、病気に対する備えとして、日本には「高額医療費補助制度」などがあります。これは医療費が高額になった際、一部を払い戻してくれるという、とてもありがたい制度です。

娘は、一家の収入をもとに高額医療費限度額を計算したうえで掛け捨て型を選び、もとの保険料から差し引いて残った金額は、そのまま貯金にまわすと言っていました。

以前の記事でも書きましたが、私は節約生活を始めた後に生命保険を解約しました。

その背景として、少ない年金から毎月の支払いがキツかった、という事情もありましたが、試算してみたら、これから先の人生で支払う保険代と、保険を通じて得ることになるかもしれない金額を計算したら、さほど変わらない、ということがわかったので、それで解約、という判断に至った覚えがあります。

それだけに今回の娘の決断には感心した次第です。