本を読みながらあれこれ考える
目下読んでいるのは、比較福祉国家論の第一人者、イエスタ・エスピン=アンデルセン博士の『平等と効率の福祉革命』と『アンデルセン、福祉を語る 女性・子ども・高齢者』。アンデルセンは著書で、女性も仕事をして社会保障負担者となることで新しい世界が出来上がると、力を込めて唱えています。スカンジナビア諸国はほぼ完成に近いけれど、まだ途上の国もある、と。さしずめ日本は、まだまだ途上、ということでしょう。
「もしスカンジナビア諸国で親のために介護離職するようなことがあれば、スカンジナビアの人たちは承認しないだろう」という意味のことも書いています。でも、福祉が行き届いている国でも、もしかしたら介護離職する人がいるかもしれません。本当に一人もいないのか、北欧諸国まで確かめに行きたいのですが、いまの私のヨタヘロ状態で、その願いは叶いそうにありません。
こうした仕事関連の本を読むだけでほぼ手いっぱいですが、たまに余裕があると、藤沢周平や田辺聖子などの小説も読みます。人間の機微や温かさが感じられ、ほっとするのです。昔からイギリス王朝のノンフィクションなども好きで、ページを繰る手が止まりません。各国の歴史ものを読むと、人間というのはいつの時代もなんと血なまぐさいものかと、あきれたりもします。