経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「〈スイッチOTC医薬品〉を活用しよう」です(イラスト:さかがわ成美)

「スイッチOTC医薬品」を活用しよう

皆さんは、「スイッチOTC医薬品」をご存じですか? 

もともとは病院で医師の診察を受けたうえで処方してもらう「医療用医薬品」だったものが、副作用が少なく安全性が高いので市販薬として転用されているものです。胃腸薬の「ガスター10」などは宣伝もしているので有名ですね。

たとえば、胃が痛い時にすぐに病院に行くのではなく、こうした薬で症状を和らげ、それでも痛みが治まらなかったら医療機関等を受診する。これを国も奨励しています。

市販薬をインターネットでも買えることは皆さんもすでにご存じかと思います。

「スイッチOTC医薬品」も転用されてから3年が経過し、安全性が確認されたら、ネットで買えるようになっています。ただし、正しく服用しないと思わぬ健康障害が起きることもありえますから、薬剤師の適切なアドバイスのもとに購入したほうが安心でしょう。

「スイッチOTC医薬品」を含む市販薬は所得税の確定申告で医療費控除の対象となっているので、使用頻度が高いご家庭は、申告すれば払いすぎの税金を戻してもらえるかもしれません。

通常、医療費控除では、家族が年間に使った医療費を合わせて10万円を超えた分が控除の対象となります。つまり、家族で使った医療費が年間11万円だったら、10万円を差し引いた1万円が控除できます。