(2)予定が変更されると対応できない

学校のような集団には、たいていルーティンがありますが、そのルーティンはしばしば変更されます。たとえば学校の行事の期間は、とくに変更が多くなります。

発達障害がある子は「見通しがついている予定」によって安定して生活することができます。「予定の変更」が多くなると、どう行動してよいかわからなくなり、パニックを起こしやすくなるのです。

『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』(著:小嶋悠紀 イラスト・マンガ:かなしろにゃんこ。/講談社)

(3)失敗経験が積み重なる

(1)、(2)のような状態が重なると、子どもはうまく行動できなくなり、失敗や、大人に叱責される機会が増えます。失敗体験や叱責によって心が傷ついてトラウマが残ると、子どもは集団に恐怖すら感じるようになり、さらに適応できなくなっていきます。

このようなわけで、とくに行事は、発達障害の子にとっては「地獄」になりかねません。下のイラストは、ある子が私に実際に語ってくれたことですが、その子のように「ガマンガマンの1ヵ月」を耐えている子はたくさんいるのです。

ある子が語ってくれたこと(1)<『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』より>
ある子が語ってくれたこと(2)<『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』より>

ですから集団のなかにいるときは、余計なストレスがかからないように、そして興奮やパニックが起こらないように、大人が配慮してあげましょう。