先駆けの一人になりたい

一方、強く、才能豊かな女性・コゼットを支援し、離婚を申し出られてもなお愛し続けたジャックが証明するように、フランス映画では激しすぎる女性がちゃんと愛されている。『ベティ・ブルー』など典型だ。強い女性を受け入れる胆力があるのだと思う。非常に羨ましい。

しかし、「Avant-guerre」「Après-guerre」という言葉があるのだから、かつてはフランスでも、女性が男性や社会に遠慮していたに違いない。だから「解放された」「新しい女」たちがもてはやされた。

左:マルセル・セルダン 右:エディット・ピアフ©️Studio Harcourt Paris

現代のフランス女性は、シャネルやコゼット、ピアフなどのようなAprés-guerreの「よき先輩」たちの作った道によって自由を確保されたはずだ。だとしたら、日本からもどんどんコゼットやシャネルのような女性が出てくることで、文化や社会が変わる可能性は大きい。

子育ても「育メン」登場で随分変わった。私たちは男に嫌われたくない、と遠慮するのをやめていいのではないか? 「思い通りにやるわ。どうぞかかってきなさい」という気持ちの素敵な女が増えたら、きっと社会と男が変わるだろう。私もそんな先駆けの一人になりたい!!