「生意気」「挑戦的」「強そう」

かつて私を撮影してくれたどのカメラマンにも、素敵に撮影くださったので、感謝ばかりだし、男性雑誌で露出したことに後悔はない。  

でも、「完ぺき!」という満足は感じなかったから、フランスまで行って、撮影したと思う。

私は、「なりたい姿(男の人に遠慮しない、ありのまま)」を撮影されたかった。実際、日本とフランスでは、こちらの決めポーズや表情に応えてくれる瞬間が違った。「いい」と選んでくれる写真が違う。間違いなくフランスでは、「生意気」「挑戦的」「強そう」「頭よさげ」「堂々としている」女性が好まれる。

コゼット・アルクール©️Studio Harcourt Paris

日本では、女性のありかたに対する「無言の圧力」がまだまだ強いと思う。会社員や結婚相手として「審査」されるとき、家事や事務の能力以前に、「ほどほどの容姿と学歴」「穏やかな性格」が求められ、「高学歴過ぎても、個性的過ぎてもダメ」。粒のそろった日本の工業製品や野菜のような女性が求められる。

私だけでなく、今回フランスで出会った坂本京子さん(アルクールの広報の女性)も「自分も日本で、それが辛かった」と頷いてくれた。「自立せよ」「女性も男性と同じ能力を発揮せよ」と言われて育ったけれど、それを本気でやったら、「もてない。結婚はできない」のが日本の現実なのだ。