(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第17回は「墓じまいを考えるも、親戚が納得しない時の対応策」です。

Q 本家の跡取りだが、子どもは独立し都会へ。墓じまいを考えるも、親戚が納得しない

A)権限は本家にあるから強行突破

B)親戚たちが納得するまで待つ

親戚たちの考え方が変わるのを待つ

「本家の跡取り」として墓守りをする立場にあるものの、お墓が遠かったり、忙しかったりで、なかなかお参りに行けず手入れもままならない。そんな方は案外多いのではないでしょうか。自分たちですら大変な墓守りの役目を子どもたちに背負わせたくないと思う親世代が、墓じまいを検討するのも無理はありません。とはいえ、親戚に納得してもらうのは難しい、というのが今回のテーマです。

「うちは名家ではないし、叔父や叔母も鬼籍に入っているから」と思っている方もいらっしゃるでしょう。けれど、いざ墓じまいをしようとしたら、「これからはどこにお参りに行けばいいの?」ときょうだいから言われる場合も。天涯孤独でない限り、決して他人事ではないのです。

そこで外野の声は無視して、サッサとお墓問題に片を付けたほうがいいと考えるのがA。将来のことを考えれば、こちらのほうがサッパリしていいように思えますが、意外にもAは不幸ぐせです。幸せぐせは、親戚がアレコレ言ってくるうちは問題を先送りするB。

「待つ」といっても、ほったらかして無縁墓にするという意味ではありません。ご先祖様を供養する気持ちはちゃんとあるわけですから、行けるときに行って、掃除やお参りをするのはこれまでと同じ。無理に墓じまいを進めず、親戚たちの考え方が変わるのを待つスタンスです。