もし日本で里帰り出産していたら、夫婦のあの姿はなかっただろう(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは長崎県の60代の方からのお便り。ニューヨークに住む娘の出産の手伝いのため渡米したことで、得るものがたくさんあったそうで――。

海外で出産を手伝ったら

昨年末、娘の出産の手伝いのため、3週間ニューヨークに滞在した。言葉も通じずドキドキし通しだったが、充実感いっぱいで帰国した。

ニューヨークでのお産は、まず夫婦一緒に入院。分娩時はもちろん、常に夫は補助を求められる。産後は麻酔の影響で動けない妻に代わり、夫がフルに動く。2泊3日の入院で、どちらかというとおっとりタイプだった娘の夫が、すっかり育児の主役という顔になって帰ってきた。

娘がおっぱいをあげる準備をしていると、娘の夫がさっとミルク(混合乳)を用意する。おむつを替えるのも当たり前。夜中の授乳時にも、起きてミルクを作るし、交代で寝かしつけもする。赤ちゃんがかわいくてたまらないという夫の変わりように、娘も驚いている。

もし日本で、娘が実家に戻ってお産をし、1~2ヵ月後に夫のいる家に帰宅していたら、夫婦のあの姿はなかっただろう。2人はコロナ下で結婚、あわただしく海外に赴任したので、私は娘の夫と深くつきあう時間がなかった。

でも今回、育児の記憶がだいぶ薄れた私も参加して、3人で生まれたての赤ちゃんのお世話というミッションに臨んだことで想像以上にうちとけることができた。

仕事の関係で1週間だけ滞在した私の夫も、義理の息子の働きぶりにびっくりすると同時に、過去の自分を反省した模様。現在も新米ママとパパは、異国の地で助け合いながら暮らしている。


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