編集者が淘汰されていくのは間違いない
清水 最近「note」に書いた記事でもっとも売れたのが「自動執筆機械」という内容なんですが、記事として売れたといっても中身はソースコード。つまり購入者は「清水が作った自動執筆のソースコードを使いたいから、それを3000円で買った」ということになります。
由井 おもしろいですね。
清水 実際、ここ二か月で二冊分の原稿を書いたんですが、いずれもChatGPTをサポートに使っています。ただ、GPTが書いた文章のどこを活かしてどこを捨てるか、という判断がなかなか難しい。どこかリズムが気持ち悪かったりして、そのまま本に刊行できるようなレベルにはまだ到底及びません。
由井 そうなんですか。
清水 その意味では、今回同席している方の編集はとても上手。それこそ寝言のような自分の雑文を、驚くくらい読みやすく整理して。この原稿、本当に僕が書いたの!? 彼に印税を払ったほうが良いんじゃないの!って。(笑)なので彼が書籍編集を辞めたのは非常に残念なんだけど…。
編集 いや、異動しただけで主体的に辞めたわけでは。(笑)
清水 しかも担当してもらった本も売れた。そうなれば、もちろん編集者や出版社へ感謝する気持ちも生まれるわけです。でも一方で、動作確認もしないままプログラムの本を出版してしまうような、やるべき仕事をこなさない編集者も、現実として存在する。だからこそ今後は、優秀な編集者の価値がより高まる一方で、必要のない編集者も明確になっていくというか。淘汰されていく流れは間違いないと感じています。
編集 出版社側も、特に広報などで著者さんに頼る部分が大きくなっています。各社、出版点数に追われる中、一冊にかける力が限定されたり、発信できる媒体やアカウントに限界もある。一方でSNSの存在感が高まっているのも事実なので、「PASSAGE by ALL REVIEWS」さんのような拠点を経由することでお力を借りることができたなら、それは大きなメリットだと思います。
由井 実際、会社として棚を借りてもらっている出版社もいくつかあります。複数借りているところも。
清水 企業と個人がほぼ対等に並んでいるところがまた面白いですね。