NHKのドラマ作品ではじめてインティマシー・コーディネーターを導入した『大奥』(Season1はNHKオンデマンドで配信中)。Season2(今秋放送予定)にも、浅田さんは参加する見通しだ

「女優だけを守る仕事」 ではない

具体的な仕事の進め方を、簡単にお話ししましょう。作品に参加することが決まったら、まず脚本を読んで「インティマシー・シーン」を抽出していきます。

直接的な性描写だけでなく、抱きしめ合うなど接触のあるシーン、それから水着以上の肌の露出はヌードになるので、シャワーを浴びるシーンなども拾い上げる。脚本のト書きだけではわからない細かい演出について、監督に確認していくためです。

例えば「キスをして激しく抱き合う」とか「裸で横たわる」などと脚本に書かれていたとします。「キスをして激しく抱き合う」とき、キスと手を回すのはどちらが先か、お互いに手はどこに置くのか、キスは舌まで入れるのか。

「裸で横たわる」とき、シーツはかかった状態なのか、仰向けなのか腹這いなのか、肌の露出はどの程度なのか……。

細かく確認したら、俳優に演出内容を伝えます。バストやアンダーヘアの露出など受け入れられない内容があれば、できる限り細かく要望を聞き、どこを解消したら演技可能かといったことまで詰めて、また制作側に戻すのです。

インティマシー・コーディネーターは「女優を守る仕事」と誤解されることがありますが、ジェンダーやセクシャリティのあり方が多様化しているいま、どの性別の俳優に対しても同様に対応します。