大相撲を解き明かす「大相撲どすこい研」

8日目のNHK大相撲中継は、NHKBS1『大相撲どすこい研』のMC今田耕司さんを迎え、宮城野親方(元横綱・白鵬)の解説で、「立ち合いは本当に勝負を決める!?」をタイトルにして放送された。「大相撲どすこい研」は、毎場所前に放送され、詳細なデータを駆使して大相撲を解き明かすので面白くて見ている。夏場所の初日前の放送は「立ち合い」がテーマだった。

8日目は、幕内の各力士に(1)立ち合いは勝負の何割を左右?(2)手つきは先にしたい?後にしたい?(3)仕切り中に考えていることは?(4)仕切り中に見ている所は?をアンケート調査し、取組前にテレビ画面に表示。取組後には立ち合いの衝撃力と各力士の立ち合いのスピードを数字で見せた。大相撲の取組の多彩な要素と深さが満載で、明日からの取組がさらに楽しみになった。

晴天に映える国技館の屋根(写真提供◎しろぼしさん 以下同)

私は、迫力ある突き押しの大栄翔が、先場所の本割と決定戦で、土俵際で霧馬山に逆転されたのが気の毒で、足がついていかないので残念だと思っていた。大栄翔は「立ち合いの重要度は10割」としていて、8日目は前頭筆頭・翠富士に突き落とされて負けた。宮城野親方は「立ち合いは10割ではなく6割にすれば相手もしっかり見える」と話していた。

面白かったのが、仕切り中に見ている所で、「相手の目」「相手の胸」など対戦相手を皆が見ている中で、元大関の小結・正代だけが「客席」だったこと。宮城野親方も実際に正代と対戦した時に、「いったい何処を見ているのだ?」と思ったと話していた。対戦相手を見ると緊張するのだと思うが、いかにも独特の個性を放つ正代らしい。