「私はわが子を思うから厳しく叱ってきました。その気持ちが伝われば、私のような《怖いママ》でも、大人になった子どもたちと友達のような関係になれると思います」(写真提供:ヌートバー久美子さん)

子どもたちにはよく甲子園の映像も見せましたし、アメリカに遠征に来た高校日本代表チームのホームステイ先にもなりました。だからWBCで守備につく際、観客席のファンに向かってラーズが帽子をとって歓声に応えたのを見たときは、本当に感動しました。

私、「やりなさい」なんて一度も言ってないんですよ。でも球児が帽子をとって挨拶する意味、敬意の表し方がきちんと伝わっていたんだなって。子育てした日々が鮮明に思い出されてジーンときました。

こうしてお話ししていると、私ってつくづく昭和の人間ですよね。アメリカにきたのがほぼ昭和なので、そこで時間が止まっているのかな。(笑)

ここではちょっと変わった育て方だったかもしれないけど、子どもたちには人として大切なこと、正しいことと間違っていることについて口うるさく伝えてきたつもりです。

アメリカでも、最近のお母さんは子どもを叱らなくなりました。友達みたいに仲良くなりたい、子どもに嫌われたくない、と思うんだって。だから子どものことも、子どもの友達のことも叱らない。

でも、私はわが子を思うから厳しく叱ってきました。その気持ちが伝われば、私のような「怖いママ」でも、大人になった子どもたちと友達のような関係になれると思います。25歳になったラーズなんて、私のことを「クミちゃん」って呼ぶんですよ。(笑)