言葉選びをすごく考えるようになりました

人の容姿をイジることが敬遠される世の中になりましたし、新喜劇にもその流れは確実に押し寄せています。私自身は見た目のイジリをされるネタは少ないんですけど、キレて怒鳴るという一連の流れをよくやらせてもらっているんですけど、その時の言葉選びをすごく考えるようになりました。

リアルな文言のほうが面白くなりやすいので、今までなら「コンクリート詰めにして南港に沈めたろか!」とか「砂浜に首まで埋めてジープで頭踏んだろか!」とか、そういう文言をチョイスしていたんです。

でも、今の世の中の感覚で言うと、実際にそういう事件も起こっている。いろいろなところに思いを巡らせることが求められている世の中で、そういうフレーズを言うと、お客さんの中に「え、これ、大丈夫なの?」という違和感みたいなものが生まれる可能性もある。そうなると、もう笑いとしては成立しないし、そこを作りての皆さんも敏感にとらえる世の中になっているのでテレビ放送ではそこを使わずにいようという選択にもなる。

気をつけないと、過敏、過剰になってしまう領域かもしれませんけど、それでもそこにはしっかりと敏感になっておかないといけない。ただただ楽しく笑っていただくために、細かい空気のチェックというか検査みたいなことは自分の頭の中でやっているつもりです。