『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行』より

 

ベテランと若手がつなぐ遠野ホップの未来

ホップ畑では、ちょうど菊池さんがホップを作り始めたばかりの中村友隆さんに教えているところでした。

1日に30センチも伸びることがあるホップは、枝をこまめに切って風通しや日当たりをよくするといった細かな手入れが必要です。

『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行――千葉 房総半島 岩手 三陸・遠野』(著:NHK「コウケンテツの日本100年ゴハン紀行」制作班/中央公論新社)

 

また、どんどん伸びる蔓が垂れ下がらないよう、ホップの枝のてっぺんまで上がって支柱に巻きつけるのも大切な作業。

多くの栽培農家は高所作業車で行いますが、菊池さんはこれを、なんと5メートルの竹馬に乗って行います。高所作業車では10時間かかる作業が、竹馬なら5時間で終えられるのだとか。

中村さんはホップ農家になるために遠野にやってきた移住組。東京の大学を出て名古屋で働いていた時、遠野市が次世代のホップ栽培者を募っていることを知り就農。夢を持って畑の経営を始めました。

ベテラン農家が栽培技術を惜しみなく伝え、ホップ農家として独立できるよう支えていこうという取り組みは、町の活気にも一役買っています。

これができるのは遠野では菊池さんだけ。(『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行』より)