(TONO japan Hop Country)
シンプルで美味しい家庭料理が人気の料理研究家・コウケンテツさん。ユーチューブ公式チャンネルは登録者数180万人を突破し、3児の父として食育を広げる活動にも力を入れています。そんなコウさんが、NHK番組「コウケンテツの日本100年ゴハン紀行」で実際に岩手県・遠野を訪れ、土地の魅力や美味しい食材を探索した様子を紹介します。

遠野民話の里とビール

河童や座敷童子が登場する柳田國男の『遠野物語』の舞台となった遠野市は、民話の里としてよく知られています。

北上高地に囲まれた遠野盆地は、寒暖の差が大きく、気温が1日20度近く上下することもあります。霧に包まれる風景は幻想的です。

この気候を生かして栽培されているのがビールの原料となるホップ。ホップは、高さが10メートルになることもあるクワ科の植物で、毬花(きゅうか)という部分がビール独特の苦味や芳香の原料になります。

また、ホップの苦味成分には、ビールの泡立ちをよくしたり、細菌やカビをおさえる作用もあります。

遠野でホップ栽培が始まったのは1963年。昔から冷害の多い遠野では、風土に適した作物を探していました。目をつけたのがホップだったのです。

以来、遠野では半世紀以上にわたってホップが作られ続け、現在、日本で生産されるホップの約半分が岩手県で栽培されています。

コウさんは、栽培歴45年以上、遠野ホップ農業協同組合組合長の菊池一勇さんの畑を訪ねます。