睡眠不足だと脳がジャンクフードを欲する
2つ目のポイントは、眠る時間帯。もともと人間の体には、約24時間周期のサーカディアンリズム(体内時計)が備わっています。一般的には昼間は活動期、夜間は休息期で眠くなる。さらに私たちには、約12時間周期のサーカセメディアンリズムも備わっており、12時間の中にも「活動期」と「休息期」があるのです。
この2つの生体リズムの休息期が重なる時間帯が、だいたい午前0時から4時ぐらい。この時間帯に眠っていることが深い睡眠を得られるコツです。みなさんの中には、仕事や介護などで夜遅くまで活動している人もいらっしゃるでしょう。その場合も、休息期の間に眠りについているよう心がけてください。
3つ目は、睡眠時間。多忙な現代人は、睡眠を犠牲にしてがんばる傾向があります。しかし、睡眠は体や脳をメンテナンスする、人間にとって必要不可欠な時間。痩せるためというより、健康を維持し、体や脳の機能を最適な状態にするために、6~7時間は確保したいもの。アメリカの調査で、睡眠7時間前後のグループが最も健康で長生きできるというデータもあります。
また、睡眠時間が足りないと、食欲にも影響が。疲れていると、つい甘い物やジャンクフードに手が伸びたりしませんか? これは、本来活動すべき時間帯に眠気を感じると、それに抵抗しようとする脳の働きによるもの。手っ取り早く味の濃い物を食べて疲れをとろうとするのです。
とはいえ、忙しい、あるいは早朝に目が覚めてしまうなど、7時間も睡眠を確保できないという人は少なくないでしょう。その場合は昼寝で補えば大丈夫。午後遅い時間に寝ると夜眠れなくなるので、15時までに、30分以内にとどめて。
ただし、7時間という長さにあまり縛られないでください。そもそも人によって適正な睡眠時間は異なりますから。何より大切なのは睡眠の質。深く眠るということです。よく眠れたかどうかは、翌朝の状態で判断できます。
良い睡眠がとれていれば、朝すっきり目が覚めて、すぐに顔を洗って着替えるなど、さくさくと行動できる。逆に、布団から出るのがつらい、起きてもしばらくボーッとして動けない、昼間に眠くなって何度もうたた寝をしてしまう、体がだるい、といった状態なら、睡眠が足りていないか、眠りが浅い証拠です。
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● 朝、なかなか寝床から出られず、ぐずぐずしてしまう
● 睡眠時間は足りているのに、起きたとき疲れがとれていない
● 昼間にしばしば眠気に襲われる
● 電車やバスの中で、すぐにうとうとしてしまう
● お酒を飲まないとなかなか眠れない
● 寝ついてから3時間以内に起きてしまう
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