左打者を並べられると嫌でした

対戦データということでいえば、実は僕は左打者を苦手としていました(対右打者通算被打率.241、対左打者通算被打率.260)。言葉で説明するのは難しいのですが、コントロールが定まらないというか、投げづらさがあったのです。

だから、本当は左を並べられると嫌でした。でも、巨人はそれをしてこなかった。いや、実際は左打者を並べられた試合があって、僕は打たれたと思うのですが、そのオーダーを続けられはしなかったのです。

『#みんな大好き能見さんの美学(ポーカーフェイスの内側すべて明かします)』(著:能見篤史/ベースボール・マガジン社)

「左投手には右打者」という野球界のセオリーを重視したのか、それとも右打者の調子がよかったのか……本当の理由は分かりませんが、僕としてはラッキーでした。

左打者の並んだオーダーを見たときから「嫌だな」と感じていたので、その時点ですでに僕が不利だったんですけどね。

巨人戦の通算成績は22勝20敗。どうにか勝ち越すことができました。途中からあまり勝てなくなったので、いいところで終わらせてくれていたら、もう少し勝率も上がったと思うのですが(苦笑)。

勝てなくなった要因は、相手の進化と僕のパフォーマンスの低下。残念ながら、最後は僕のことを嫌がっていなかったと思います。