(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第19回は「定年を迎えた夫から離婚を切り出された時の対処法」です。

Q 定年を迎えた夫から離婚を切り出された! 青天の霹靂でなんの準備もない

A)どんなことがあっても離婚しない

B)財産分与してもらって離婚する

執着は心を痛めつける

妻が夫に離婚届を突きつける熟年離婚はよく耳にしますが、今回のお題は逆のパターン。もちろん、十分にありうる話です。「うちの夫婦の場合、私が切り出すことはあっても、夫が離婚したいなんて言うはずがない」と思っている方は、その思い込みが「青天の霹靂」を呼ぶのだということを忘れず、読者のみなさんも想像力を持って一緒に考えてみましょう。

予想だにしなかった離婚通告を受ければ、「女でもいるんじゃないの!?」と勘ぐりたくなるでしょう。しかし、愛人がいてもいなくても本質には関係ありません。あるのは、離婚を決断するほど、夫の気持ちがすでに妻から離れているという事実です。このようにポイントを絞ると、幸せぐせがわかりますね。これから幸せの道を歩み出せる選択はBです。

夫の愛がなくなった今、Aを選ぶ理由はなんでしょうか。これまで尽くしてきた夫に対して、「アンタの望みどおりにさせるか」という憎しみ? それとも、今まで手にしていたものを失いたくないという執着心? けれど、憎しみや執着だけで愛のなくなった結婚生活を続けるのは苦しいもの。「何があっても別れるもんか!」と、離婚届にいつまでも判を押さないのは、相手に対する仕打ちというより、自分の心を痛めつける行為でしかありません。