新しい人生を始めるほうが幸せになれる

「愛人がいるなら慰謝料をもらわなくちゃ」とか、「浮気ではないみたいだけれど、こうなったら夫の非を徹底的に調べあげるわ」という思いが湧き上がる方、鏡をよくごらんになってください。そこに映る顔はきっと夜叉ですよ。怨念めいた思いを抱えて夜叉の顔で生きるより、サッサと別れて新しい人生を始めるほうが、早く幸せになれるのではないでしょうか。

夫の愛人が離婚の原因だった場合、「あんな女に負けたかと思うと悔しい」という妻の言葉を聞きます。けれど、そんな勝ち負けにこだわるなんて、取るに足りないプライドです。相手が人だと思うから腹が立つのでしょうね。もし、夫の心が離れた理由が愛人ではなく、何かの趣味だったらどうでしょう? 鉄道模型製作など夢中になれるものがあって、妻と過ごすよりもそれらに残りの人生を使いたいと思う人だっているはず。つまり、離婚したい理由はいろいろあっても、結局は夫の心が離れたことに変わりはないのです。

(イラスト◎大野舞)

今や女性も自立と自律で生きる時代です。「夫は家族なのだから、自分を捨てるわけがない」とか、「夫婦関係は永遠に続く」といった考え方は古くさい結婚観でしかありません。夫婦がずっと思い合うなんて、お互いに相当な努力をしないと実現できない。それは人生経験を重ねた読者のみなさんのほうがよくご存じのはず。

夫の気持ちが離れつつあるのを察することなく、今に至って「青天の霹靂」と驚くこと自体、厳しい言い方ですが結婚生活にあぐらをかいていた証拠です。遅きに失するという言葉どおり、離婚するしかないと腹をくくるべきでしょう。