●知っておきたいフェムゾーンの構造

ここまで読んで、「え? 毎日触れるの?」と驚いた人もいるでしょう。そう、フェムゾーンは自分で触って今の状態を把握することが大切です。まだ生理がある年齢のときは、腟内には自浄作用があり、うるおいも保たれ、雑菌を退治でき健康な状態をキープできます。よほどのことがないとトラブルは起きません。

しかし、更年期以降はトラブルが急増。女性ホルモンが減少するからです。そのひとつであるエストロゲンの量が減少すると、真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減り、皮膚や粘膜が薄くなって乾燥や血行不良を招きます。

更年期以降は顔の肌も乾燥が加速し、たるみやシワがより気になり出しますよね。口の中でも唾液が減り、浄化力が低下するでしょう。何もしなければ筋肉も減る一方。フェムゾーンも見えていないだけで、これと同じことが起きている。ですから、「知らない、恥ずかしい、触らない」のは大間違いです。

トラブルで最も多いのは、乾燥によるかゆみやヒリヒリ感。外陰部の皮膚が乾燥し薄くなるため、バリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなります。見た目にも、外陰部がたるんでくるといった変化が。小陰唇が徐々になくなっていく人もいます。

粘膜でできている腟にはうるおいが不可欠ですが、年齢とともに乾燥し萎縮。おりものの分泌がほとんどなくなり、自浄作用も低下するのです。すると、雑菌が増えるリスクが高まります。うるおいがなくなることから、性交痛を感じる人も。