(イラスト:黒猫まな子)
みなさんは日頃、女性器まわりのお手入れをしていますか? 年齢を重ねるほどトラブルが起きやすい部位だから、正しいケアが必要です(構成=島田ゆかり イラスト=黒猫まな子)

更年期以降の女性器はトラブルが急増

最近、「Femtech(フェムテック)」という言葉をよく耳にするようになりました。Female(女性)とTechnology(技術)を合わせたドイツ発祥の造語で、女性の健康に関する問題を、医療や科学技術、ITテクノロジーなどで解決しようというもの。

この言葉が広く浸透してきたこともあり、全身はもちろん、女性器や心のケアまでを含めた「フェムケア」という意識が高まってきています。

さて、みなさんに質問です。「フェムゾーン」とは、体のどこを指すかご存じでしょうか。この言葉、実は私がつくった造語で、腟や外陰部など、デリケートゾーンといわれる女性器まわりを言い換えたものです。

具体的には、腟、外陰部(大陰唇、小陰唇)、会陰(えいん)(腟口と肛門の間)、尿道、肛門部分までを含みます。

これらの臓器は、膀胱、子宮、直腸を支え排泄機能をつかさどる骨盤底の影響を強く受けているため、広く骨盤底までを含む場合も。骨盤底とは、皮膚、皮下組織、じん帯、筋膜、筋肉群で構成されるプレートのような臓器です。

そもそも「デリケート」という言葉には「繊細で触れてはいけない」といったイメージがありませんか? しかし、女性器まわりは毎日触れてケアすることが大切。アンタッチャブルなイメージを覆すために、フェムゾーンという親しみやすい言葉をつくったのです。