44歳の いかりや長介 と「セックスに求めるもの」の話 

悠木 そういうもの〔セックス〕はなくても、人としてつき合えるということですか、女と。

いかりや いや、もちろんそれはなきゃだめでしょう。そうですね、あるやっぱり......ウン、一緒だね。何ていうのかな。セックスといってもね、たとえばこれは全くぼくの勝手なあれなんだけれども、つまり後がいい人というのがぼくは好きなんですよ。つまり燃えたぎってワーッと結ばって、ことが終えて、まさに......くたくたに疲れればしょうがないけど(笑)。何ていったらいいのかな、あとしまつというと聞えが悪いけれども。最初の恥じらいが残っていて。

悠木 こういうことでしょう。終わったあとに、その女の髪の毛をなでてやりたくなるような女ならいいわけでしょう。

いかりや まあそうだね。ぼくはセックスというのは中じゃなくて前後だと思うの。

悠木 なるほどね。特に、後ね。

 

20歳五代目中村勘九郎(当時) と「空白」の話

悠木 今までフリーになったときあります。だれもいないときって。

勘九郎 ないですね。

悠木 やっぱり何となくダブっている。

勘九郎 そうですね。

悠木 それは女は平気なのよ。一瞬の空白というの持てるのね。男の人のほとんどは、みんなダブっている。それ見ると男というのは弱いものなんだって思うの。

勘九郎 そういう感じしますね。男のほうが何かかわいい感じ。