77歳の 草野心平 と「浮気」の話 

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草野　結婚してから、ぼくは浮気したけれども、女房も一度ぐらいしたようじゃないかなあ。

悠木　それはわからない。だから......。

草野　少なくとも心の上でね。

悠木　あ、それはありますね。

草野　あったと思うんです。それはこっちがしたから仕方がないと思っていた。

悠木　なるほど、それは許せたわけですね。何なんでしょうね。奥さんがいてほかに女の人に目がいくというのも、自然なことなんですけれども。そうすると......。それでも、なおかつ結婚という形を取ったほうがいいんでしょうか。苦しむのをわかっていても。

草野　それはあなたに聞きたいな(笑)。

アイシテーヨ久美子の一言
深い！　深いわ〜！　対談の内容も深いのだけれど、対談の後についている、樹木さんによる「一言」がまたいいのよ。男に「心底惚れる」瞬間について語っています

 

草野心平との対話のあとの「一言」

この世に生まれてしまった身を恥じらい、なお生きてるということを恥じらう気持ちがフッとみえた時、わたしは男って色っぽいなと思うのです。そんな時こそ男にとって女が必要だし、女は男に心底惚れるのじゃないでしょうか

 

この対談シリーズが一冊の本になりました！
もっと読みたい方はぜひ手に取ってみてください。

『心底惚れた 樹木希林の異性懇談』

テレビの人気者から社会主義運動家まで、豪華なゲスト12人に樹木希林が対峙する。男と女の際どい話を引き出す手腕は感歎するほど。対談の末尾に付された洞察も深い。「樹木希林は30 代で完成されていた」ことがわかる対談集

ゲスト●渥美清、中村勘九郎、草野心平、萩本欽一、田淵幸一、金原亭馬生、つかこうへい、山城新伍、いかりや長介、山田重雄、米倉斉加年、荒畑寒村
解説●武田砂鉄
※津島佑子、安田南との鼎談も特別収録