憧れていたグループにいきなり加入

インタビューが目的だったんですけど、「その若さでマヒナスターズが好きだなんて」と驚かれて。話の流れで、歌を習うよう勧められたのですが、通い始めて3ヵ月後に、マヒナスターズが分裂してしまったんです。その後、僕の所に突然日高さんから、「リーダー(和田弘さん)が会いたがっている。明日来られるか」と連絡が。

なんだろうと思い行ってみたら、和田さんがその場にいらして、「ちょっと歌ってみて」と言われました。それで何曲か歌ったら、「今日からメンバーだから」と。当然、最初は「え?」ってなりましたけど(笑)、「田渕純」として加入することになりました。

28歳、マヒナスターズ時代。一番左がタブレット純さん(写真提供◎タブレット純さん)
草月ホールでのリサイタルで (撮影◎御堂義乘)

当時、カラオケ教室のおばさまたちが自分のことを可愛がってくれていて、その方たちが僕をメンバーにと推してくださったみたいです。あと、僕は元々マヒナスターズの大ファンなので、全部の楽曲の歌詞がすでにインプットされていたので、最悪声を出さなくても口を合わすことはできる、ということも大きかったのでしょうね。

その頃、社会にうまく適応できない自分にひどく落ち込んでいた時期でもあったので、「この話を受けなかったら一生後悔する」と思い、メンバーに入ることを決めました。メンバー入りして1週間後にはレコーディングや写真撮影があって、目まぐるしい日々に。

とはいえ、小学校の卒業アルバムに「好きな芸能人」として書くほど憧れていたグループにいきなり入れることになって、本当に夢心地で。でも実は、不安のほうが大きかったんです。両親にも相談しましたが、僕が当時、とにかくどうしようもない状態でしたので、反対されることはありませんでした。