辿りついたのは「介護の仕事がしたい」という答え

歌手をやめて、これからどうしようと考えた時、辿りついたのは「介護の仕事がしたい」という答えでした。

歌手になる前も介護の仕事をしていたのですが、その時には仕事ができなくて叱られてばかりで。でも、ご高齢の利用者さんからはなぜか好かれていて、話が合う部分も多かったので、そういう意味では向いているのかな、と。

「橋本くん(タブレット純さんの本名)じゃなきゃやだ」と言ってくれる方もいたので、介護職に身を投じようと決めて、デイサービスで働きはじめました。デイサービスにはレクリエーションの時間があって、そこで「歌える」ことを重宝してもらえたのが嬉しかったですね。

可愛いギターで「コモエスタ赤坂」のワンフレーズを口ずさむタブレットさん

介護の仕事は、実際にはどんどん暗くなっていく現実や、シビアなエピソードもたくさんあります。でも、それをいかに笑いに変えていくかがデイサービスの在り方の一つでもあるので、あの仕事はやはり尊いなと思っていて。

長く生きてきた方の尊さにも触れて、その中で自分の歌の価値を認めてもらえたことで、ようやく暗闇から抜け出せたような気がしたんです。