人の視線が怖い。酒をやめられない日々
憧れのマヒナスターズへの突然の加入が決まり、夢のような日々が幕を開けた。だが、元来人前に出るのが苦手なタブレット純さんは、ステージでの緊張を和らげるための飲酒が習慣化してしまう。
子どもの頃から大好きなマヒナスターズに入れたことは、本当に嬉しかったです。でも、ずっと表舞台から縁遠いところで生きてきた自分が、突然憧れのメンバーに加入することになったプレッシャーは大きくて、だんだん酒浸りになってしまって。
はじめは緊張を和らげるためだったのが、だんだん常に飲んでいる状態になっていき、そこからおよそ10年間は人と話すこと自体、飲まないと不可能になっていました。
歌手として活動していた時期は、ほぼ毎日のように酒を飲んでいました。そんな折、同世代の歌手の渚ようこさんが声をかけてくれて、地元の相模原市から東京に上京しました。
それで、ライブハウス回りの仕事をするようになったのですが、酒の量がさらに増えてしまって。その頃は完全にただの酔っ払いみたいな扱いで、いつも酔っていることを逆に面白がられるみたいな雰囲気がありました。
でも、正月の新春リサイタルでひどい舞台をしてしまい、アンコールすら起きないような状況で……。そこで、もう本当に酒をやめようと思って、同時に「歌手も完全にやめよう」と決めたことがあったんです。