本当にいい場所で暮らせたなとありがたかった

またよもぎを見つけたときは、下処理をしてから細かくすりつぶして上新粉と混ぜてよもぎ餅をつくったり、さんしょうで木の芽和えをつくったり、若竹煮にのせたりと、本当に自然のめぐみが食卓を彩る生活をしていて……。

お義母さんが料理上手だったのもあったのですが、博識というのも大きかったんだと思います。だって私が道を歩いていても、これが食べられるものなのかそうではないのかなんてわからないですから。

『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(著:松本明子/アスコム)

そんなお義母さんも昔、おばあちゃんから教わったらしく、代々知恵を受け継がれているようです。なんかそれもいいなと思います。私がお義母さんから教わったこの知識、息子が受け継いでくれているとうれしいです。

ちなみに私の実家は香川県でしたが、野草を食べたことはあまりなかったです。食べても、つくしやふきのとうくらい。田舎ではあったのですが埼玉とはまたちょっと環境が違ったのかもしれないです。というより、埼玉ほど自然があふれていたところはなかったかも……。

5年ほどでしたが、本当にいい場所で暮らせたなとありがたかったです。そしてあの地域に住んでいる方がうらやましいというか。

こんなにおいしいものをタダでいただける……。あり得ないことですよ。そしてその場で摘んでいるので新鮮なのも魅力的。あんなにおいしいものはないです。

私は山登りが趣味なんですが、歩いていて目につくのが野草。「なんていう野草かな?」と気になってしまいます。そういうときに、やっぱり欲しいのが知識。きっといろいろ知ったら、これまでとはまた違った新しい山登りの楽しみが増えるはずです。

本で学ぶのもいいのですが、やっぱり実物を見て教えてもらうほうが頭に入ってくるし記憶にも残る。改めてお義母さんといろんなところに行きたいと思いました。