イラスト:小林マキ
いくつになっても健康でいきいきと過ごすためには、「筋肉」をつけておくことが大切です。とはいえ、この暑さでは、きついトレーニングはちょっとしんどい……。そこで、「筋肉は裏切らない」でおなじみの谷本道哉先生に、自宅で手軽にできて効果的な筋トレを教えてもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

心不全、脳梗塞、糖尿病などのリスクも下げる

筋肉を鍛えれば日常生活の動作がスムーズになるだけでなく、さまざまな病気のリスクが低下することもわかっています。筋力が強い人(上位3分の1)は、弱い人(下位3分の1)に比べて、病気にかかったときの死亡率が、心不全、脳梗塞、がんでいずれも半分ほどだったというデータもあるそう。

「筋力が強い人ほど元気で活動量が増えるため、動脈血管系の機能や糖質を代謝する能力が高まりますし、よく動くことで骨密度もアップ。また、筋トレで多く発生する乳酸は、脳神経活動を活発にするという報告もあります」

筋肉を育てるためには、食事も大事。毎日3食、バランスのとれた食事を意識しましょう。とりわけ朝食でのたんぱく質摂取が重要、と谷本先生は強調します。

「たんぱく質の摂取は筋肉の合成を促しますが、朝食では不足しがち。主要なエネルギー源である糖質と合わせてしっかりとりましょう。とはいえ、朝からお肉というのは難しいでしょうから、食べやすくてたんぱく質を多く含む食品を上手に取り入れて。ゆで卵、ギリシャヨーグルト、カニカマは、夏場でもさっぱりと食べられるおすすめ食品です」

また、大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きがあるので、閉経した女性は、納豆、豆乳なども積極的に取り入れましょう。

次回からは、室内で簡単にできて、効果的な筋トレの方法を紹介します。