服をかっこよく着るには姿勢が大事
近頃は、これまであまり着ることのなかったジャケットにも挑戦しています。
「服をかっこよく着るには姿勢が大事」と肝に銘じてはいるものの、70代になったら自然と猫背になってきて、気を抜くと鏡に映った自分が老人の姿になっていることもしばしばです。
「これではいけない!」背筋をシャキッと伸ばすことを意識するために、クローゼットの奥で眠っていたジャケットを復活させることに決めました。
確かにカジュアルな着こなしに比べると、心身共にいささかの緊張感が生まれます。
でも、「毎年、今年がピークだと思って、おしゃれにトライするのよ」という先輩の言葉を励みに、流行の服も定番の服も、今の自分の年齢にふさわしい攻略法を見つけていけたらと思います。
※本稿は、『Life Closet』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
70代の現役スタイリストとして活躍する西ゆり子、初のフォトエッセイ。幼いころから今に至るまでの服へのこだわりや、服を選ぶときの考え方、人生の喜びや悲しみとともにあった服のことなど、「服」と「生き方」にフォーカスした44篇を収録。
出典=『Life Closet』(著:西ゆり子/扶桑社)
西ゆり子
スタイリスト
1974年にスタイリストとして独立。『MISS』『non-no』などの雑誌や広告のスタイリングを手がけた後に、『11PM』『なるほど!ザ・ワールド』を皮切りにテレビの分野に活動を広げ、テレビ番組におけるスタイリストの草分け的存在となる。現在も“ドラマスタイリスト”としてテレビドラマと映画を中心に手がけるほか、バラエティ・歌番組・CMとジャンルを問わずに活動。これまで担当した作品は『ギフト』『きらきらひかる』『電車男』『のだめカンタービレ』『セカンドバージン』『リーガル・ハイ』『ファーストクラス』『家売るオンナの逆襲』『時効警察』『七人の秘書』等、およそ200作品。2019年度、「日本女性放送者懇談会50周年特別賞」を受賞。現在は、着こなしやファッションをテーマにした社員研修や講演を行うほか、一般個人向けに、理論と実践で「着る力」を学べる「着る学校」も展開。著書に『ドラマスタイリストという仕事 ファッションで役柄をつくるプロフェッショナル』(光文社刊)、『ドラマスタイリスト 西ゆり子の 服を変えれば、人生が変わる』(主婦と生活社刊)。ブログ/instagram/着る学校(学校長)