写真を拡大 レストランでゴマフアザラシと飼育員の水槽清掃を眺める(C)2015〜2023 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

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被災した水族館の動物達を受け継いだ

第7回目の「シュール・ブルー」列島水族館写真巡りは、前回の「森の水族館」から「うみの杜」へと移動。仙台うみの杜水族館は今年でオープンから9年目を迎えたいまだ新しい施設だが、1927年に開館して、東日本大震災の時に被災し、2015年に閉館したマリンピア松島水族館の動物達を受け継いだ経歴がある。三陸の海の大水槽や、イルカのショー、ペンギン歩き等一日飽きずに楽しめる。

私は2020年の冬に訪れたが、シャンパングラスのタワーの形をした水槽にいるウーパールーパーなど面白い展示方法もあった。レストランはアザラシとペンギンの水槽に面していて、飲食しながら動物の優雅な泳ぎを堪能できる。まるでディナーショーにいるかの様に清掃中のダイバーとゴマフアザラシのデュエットを眺める人々がいた。

 

写真を拡大 「こんにちは」スナメリと魚がまるでキスをするかの様に接近した瞬間(C)2015〜2023 George Nobechi