(イラスト:おおの麻里)

身元保証等高齢者サポート事業者の見極め

そこで注目されているのが、「身元保証等高齢者サポートサービス」を手掛ける民間事業者。私が所属する「OAGライフサポート」もそのサービスを請け負う団体です。これらの事業者と契約すると、プラン内容にもよりますが、安否確認をはじめ入院や施設入所時の身元保証人受託、その他死後事務、任意後見契約受任など、広範囲のサポートが受けられます。

このような身元保証等高齢者サポート事業者は、中小規模の事業者を中心に、近年爆発的に増えてきました。ただし、始まったばかりの新しい事業のため、業界団体もなければ最低限のガイドラインもありません。

2016年には、大手と見られていた公益財団法人日本ライフ協会が経営破綻し、一部の利用者がサービスを利用できなくなるという事態も発生。さらに、契約したものの思ったようなサービスが受けられなかったり、金銭面で行き違いがあったり……。そのため、消費者庁が注意喚起を行っているほどです。

今年5月の衆院予算委員会で初めて、この問題が取り上げられました。坂井学議員の質疑に対し、岸田首相は、「厚生労働省を中心に、身元保証等のサポートをする事業等について実態把握と課題の整理を行い、その結果を踏まえて必要な対策を政府として講じていきたい」と答弁しています。

今後行政からガイドラインが出てくるかもしれませんが、まだまだ発展途上。トラブルを避けるためには、契約を結ぶ前に自分の希望を明確にし、サービスの内容を確認しておくことが大切です。選ぶポイントをまとめたので参考にしてください。契約に不安があれば、公的な相談機関である「消費生活センター」などに相談しましょう。

今までエンディング期の決断は、本人の意思を離れて「家族」にゆだねられてきました。さまざまな契約をすることで、自分自身の死を自分でデザインし、コントロールできるようになってきています。頼れる家族がいなくても、人生の終わりを安心して迎えられるように、ぜひ皆さんも備えてほしいですね。