元気なうちに託せる人を探して

おひとりさまはこれらの契約を「誰」と結べばよいのでしょうか。その相手選びは、「本人の希望や考え方を理解してくれているか」が大前提。さらに「本人に代わって決断する権限を与えるにふさわしいかどうか」。この人なら、とあなたが思える人を元気なうちに探しておくことが大切です。

人選として考えられるのは、「深い絆で結ばれた知人・友人」でしょうか。その場合も、エンディング期にあなたの代わりに動いてもらうなら、トラブルにならないよう事前の契約が必須。ただ同世代では、ともにエンディング期に突入してしまう可能性がありますので注意しましょう。

次に考えられるのは、「法律の知識がある専門家」。弁護士や司法書士などは法律に詳しく、頼りになります。ですが、インターネット契約の解除やモノの処分といった死後の細々とした業務まで請け負ってくれるかは、細かい確認が必要です。

3つ目が「居住地の自治体や社会福祉協議会」。最近は、おひとりさま向けサービスを実施している自治体が少しずつ増えてきました。

たとえば神奈川県横須賀市は、協力葬儀社と提携した低所得者向けの「エンディングプラン・サポート事業」を実施しています。月収18万円以下、預貯金などが225万円以下程度で、固定資産評価額500万円以下の不動産しか持たないなどの条件がありますが、生前に予約し、費用の支払いを済ませておくことで葬儀と納骨を履行してもらえる制度です。

ただ、このような公的サービスを大規模に展開するには、莫大な予算が必要。そのため、所得の制限がかけられるなど限定的であるケースが大半です。