2023年7月23日、ポーランドで行われたネーションズリーグ3位決定戦でイタリアを破り、銅メダルを獲得した男子バレー日本代表。表彰式で喜びが爆発する(写真提供◎Newspix.pl/アフロ)
ネーションズリーグで銅メダル、アジア選手権優勝など、バレーボール男子日本代表の勢いがとまらない。9月末からはパリ五輪の予選を兼ねたワールドカップが日本で行われる。開催を前に、その強さを分析した

高さやパワーを誇る世界の猛者を相手に

ご存じだろうか。今、男子バレーが面白い。来夏のパリ五輪へ向け、すでにさまざまな競技で五輪出場選手も決まり始めているこの頃。柔道やレスリングなどメダル候補が揃う競技に注目が集まるのはわかるが、なぜ男子バレー? そんな声が聞こえてくる。おそらく大方の人は、こう思うのではないだろうか。

「男子バレーじゃなくて、女子バレーじゃないの?」

確かに。2012年のロンドン五輪で女子バレーは銅メダルを獲得した。さほど詳しくない人でも、すでに引退した木村沙織、荒木絵里香、竹下佳江といった面々は顔と名前が一致するのでは。対して男子は、五輪の記憶を辿るなら、史上初の金メダルを獲得した1972年のミュンヘン五輪を思い出す、という人が大半かもしれない。

だからこそ何度も言いたい。今、日本の男子バレーが熱い。何より面白い。そして強い。

今年6月6日から7月23日まで行われた、世界の強豪16ヵ国が出場したネーションズリーグで銅メダルを獲得。五輪、ワールドカップと同様に世界ランキングに大きくかかわる主要国際大会での日本のメダル獲得は、実に46年ぶりという快挙だった。結果を受け、世界ランキングも5位に浮上している。

なぜ強くなったのか。理由は2つある。まず優れた力を持つ「個」が集ったこと、次にフィリップ・ブラン監督の存在だ。

五輪を除く国際大会では14名がベンチに入る。その中から攻撃の要ともなるアウトサイドヒッター(OH)2名、サーブレシーブには入らず攻撃を専門とするオポジット(OP)1名、ブロックと前衛中央からの攻撃を主とするミドルブロッカー(MB)2名、セッター(S)1名がコートに入る。さらにリベロ(L)が2名選出。なお、リベロは2名同時にコートに立てない(写真提供◎日本バレーボール協会)