<フィリップ・ブラン監督>(左奥)
1960年、フランス・モンペリエ生まれ。2017年に日本代表コーチへ招聘され、21年に監督就任。英語、イタリア語で直接コミュニケーションを取り、選手、スタッフからの信頼も厚い
<山本智大>(中央手前)
リベロ、171cm、69kg。1994年北海道生まれ。高校、大学時代は目立つ選手ではなかったが、2019年に日本代表に初選出され、ワールドカップ、東京五輪に出場するなど、一気に飛躍を遂げた(写真提供◎Newspix.pl/アフロ)

そしてバレーボールのコート上で唯一、周りとは異なる色のユニフォームを着て、サーブを打つことも、ブロックに跳ぶこともない選手。それがリベロだ。守備を専門とするポジションで、交代は自由。中でもリベロの実力を最高の形で発揮するのが、相手の放った強打をレシーブする瞬間だろう。

相手からすれば「決まった!」と思うボールを拾われる。直接得点にはつながらずとも、その1本のレシーブが流れを引き寄せることは多くあり、だからこそリベロは「守護神」と呼ばれる。

そのポジションを日本代表で担うのが山本智大(ともひろ)だ。「リラックスして力を入れずにボールへ向かって腕を出す」ように、どんな強打も柔らかく、身体全体で上げる。山本のディグはまさに世界屈指の実力を誇り、味方であればこれほど心強い存在はいないが、敵になればこれほど嫌な相手はいない。

銅メダルを獲得したネーションズリーグでも、出場全選手の中で最も得点を叩き出したのは石川だが、ディグで最も素晴らしい数字を叩き出したのは山本だ。ただレシーブするだけでなく、アタッカーに向け「行けー!」と叫ぶ声でチームを盛り上げるムードメーカーでもある。え? 今のボール、どうやって上がったの? と思う先にはきっと、山本の姿があるはずだ。

ここまで紹介した選手だけでなく、2メートルを超えるミドルブロッカー陣(山内晶大(あきひろ)、小野寺太志(たいし)、高橋健太郎(※「高」ははしごだか))や、世界の高さにも打ち負けないオポジットの西田有志(ゆうじ)など、まさに魅力あふれる選手たちが揃う。