見事な解説

14日目のNHKテレビの放送は聞きごたえがあった。長い間、審判を務めていた伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)が正面解説に久々に登場。実況の太田雅英アナウンサーが、いつもより高音で早口になり、弟子の熱海富士について13日目に負けた貴景勝との相撲を含めていろいろ聞くのだが、本日の対戦はまだだ。伊勢ケ濱親方は、「スピードが違うので、自分から攻めることができない」「もっと早く相撲を取ること」など、低い声で渋々と熱海富士の相撲を語り、発言がしにくそう。

ところが、他の力士の取組となると、現役時代に横綱の千代の富士や北勝海と戦い続け、引退後は師匠として横綱の日馬富士と照ノ富士を育てたことが納得できる見事な解説だった。取組を細かく分析し、攻防が良く分かり、大相撲の醍醐味を再認識できた。大相撲ファンとして勉強になりました!

いよいよ熱海富士の出番となり、熱海富士は前頭2枚目・阿炎の変化を俵を使って残し、寄り切りで勝った。熱海富士は鼻血が出て、鼻に白い栓をして笑顔で花道を帰り、「師匠が解説なので勝てて良かった」という言葉が、花道と支度部屋のレポート担当アナウンサーから伝えられた。
伊勢ケ濱親方は、「明日も解説に出ましょうかね」と冗談を言っていた。

熱海富士は11日目、はじめての役力士との対戦にも堂々としていて、小結・翔猿を上手で投げ飛ばした。「テレビで見ているところで自分が取れるのがすごい」と言っているとのことだが、昨年九州場所の新入幕の時は、前頭15枚目で4勝11敗と惨敗。今年の初場所から4場所十両にいて再入幕した。

何回も優勝戦線に顔を出している高安は、9日目まで1敗をキープし、いよいよ待望の優勝かと思ったが、10日目に熱海富士にドンと押し倒された。その時、腰を痛めたようで花道を帰る時も痛そうだった。11日目には大栄翔に敗れ、正面解説の鶴竜親方(元横綱・鶴竜)は「腰の痛み、私も分かりますね。歩き方から分かる」と同情していた。