2 栄養をとる

今日は時節柄止むを得ないから、毎日得られる丈けの食物で我慢し生活せねばならぬのだが、併し成るべく滋養分を摂取する事に心掛け、我が学問の為めに何時までも自分の体力を支え行かねばならんと痛感しています。

それでも元来自分が幸に至極健康であるが故に今日のところ身体は別に肥える事はないけれど仕合せには亦敢て弱りもしません、けれども戦前に比ぶれば食の関係で多少痩せた事は事実である。

『好きを生きる―天真らんまんに壁を乗り越えて』(著:牧野富太郎/興陽館)

且此頃は脂油を得るに難いから為めに皮膚の枯燥を招いています。

誠に困ったもんです。